戻る
◆第8回桜文大賞
●桜文大賞作品
和泉 まさ江(いずみ まさえ)さん
                 神奈川県

「お母さんへ」  

 ようやく春がやってきて今年もまた桜餅を用意しました。お天気が良かったので向島まで出向いて入手した桜の葉三枚で包まれたなんとも香ばしいものです。薄紅色というよりは少しベージュがかったお餅が甘くてしょっぱくてやはり初めての「桜餅のお使い」を思い出しました。家の中では「ピンクのお餅」と呼んで親しんでいた桜餅。店先でわたしは当然「ピンクのお餅」を頼んだのですよね。うきうきしながら帰ってお母さんがあけたら、、、たしかにピンクでしたが葉っぱのない、「すあま」でした。お母さんの笑い顔、お兄ちゃんの呆れ顔、わたしの泣きべそ。いつまでたっても忘れられないおかしくて哀しい光景です。日曜日にはお兄ちゃん夫婦が遊びにくるそうです。どこの桜餅を調達しておきましょう。それとも手作りに挑戦してみましょうか。美味しく出来上がったら届けましょう。天国行きの宅配やさんに注文して。   

戻る